トラリピ等のリピート売買、人気の通貨ペアといえば
三大陸通貨ペアと呼ばれるEUR/GBP、AUD/NZD、USD/CADです。
コロナショック以降日本円は円安が止まりませんが、この三大陸通貨ペアの取引にも円安は影響します。
今回の記事はリピート売買が初めてのFXだよ、って方を対象とした記事となり、トラリピをモデルにお話ししたいと思います。
通貨ペアの事前知識
まず始めにFXでUSD/JPYってどのような取引か分かりますか?
これは1米ドル購入するのに何円必要か、もしくは1米ドル売却すると何円もらえるか、ですよね。
では次に、私も普段トラリピで運用しているEUR/GBP(ユーロ/ポンド)
これは1ユーロの取り引きに何ポンド必要か?です。
そして2024年7月現在、EUR/GBPのレートは1ユーロ0.848ポンドです。
普段私たちはFXを日本円でやり取りをしています、なので0.848ポンドは何円なのかを知る必要があります。
そこで出てくるのがGBP/JPYのレート、現在204.1円です。
なのでEUR/GBPで1ユーロ取り引きする場合 0.848×204.1=173.07円必要となります。
円安の影響 必要証拠金の増加
前置きが長くなりましたが、ここからが本題
トラリピ、EUR/GBPでのお話です。
EUR/GBPの取引に必要な証拠金
EUR/GBPのレートが0.825ポンド、GBP/JPYのレートが180円である場合、1000通貨を取引するには証拠金はいくら必要か?
国内のFXはレバレッジは25倍ですので
計算式は、0.825×180×1000(通貨)÷25(レバレッジ)=5,940円の証拠金が必要になります。
次にEUR/GBPのレートは0.825ポンドのまま、円安の影響でGBP/JPYのレートが204円となりました。
この場合は 0.825×204×1000÷25=6,732円の証拠金が必要で、その差は792円です。
EUR/GBPの取引に必要な証拠金はGBP/JPYのレートによって変化する事が分かりましたか?
ちなみにAUD/NZDならNZD/JPY、USD/CADならCAD/JPYのレートを参考にします。
トラリピではその差が顕著に現れてくるんです。
トラリピでの必要証拠金
トラリピではモデルがあったほうが分かりやすいので、用意しました。
- 通貨ペア:EUR/GBP
- 売買トラップ:売り
- レンジ:0.825~0.925
- トラップ本数:21本
- トラップ1本辺りの通貨量:1000通貨
私が運用しているトラップです。
全てのポジションを持った上で、現在のレートが上限の0.925だった場合の比較をします。
GBP/JPY 180円時の必要証拠金
いきなりですが下の表は間違いが1箇所あります。
全てのポジションを持った上でレートが0.925の場合、必要証拠金の合計は132,300円ではありません。
トラリピはリアルタイム証拠金を採用しているので必要証拠金の合計は
6,600×21(トラップ本数)=138,600円となります。
ちなみにGBP/JPY 180円というのは昨年2023年の7月頃のレートです。
GBP/JPY 204円時の必要証拠金
こちらも証拠金の合計が違います。
上記と同じ条件の場合、必要証拠金の合計は149,940円ではなく
7,548×21=158,508円となります。
必要証拠金はポジションを持った時のレートではなく、現在のレートで算出される
GBP/JPYが180円と204円ではEUR/GBPの必要証拠金が変わってきます、トラップ本数が増えれば差はさらに広がります。
円安の影響 含み損の増加
先ほどの表を並べてみます
GBP/JPYが180円の時の含み損の合計が-189,000円 204円の時が-214,000円
結構差が出ますね。
しかし含み損も大きくなりますが、円安になれば決済益も大きくなります。
悪いことばかりではないんですが、まずはリスクを知りましょう。
円安の影響 ロスカットラインの変動
必要証拠金や損益に差が出ることは分かったでしょうか?
最後にロスカットラインの変動を見てみましょう。
トラリピのロスカットは証拠金維持率100%を下回ったら
見出しにある通り、証拠金維持率が100%を下回ったらロスカット(全ポジション強制決済)されます。
証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100ですので
100(%)=有効証拠金÷必要証拠金×100 でロスカットします。 式を並び替えると
100/100=有効証拠金÷必要証拠金
1=有効証拠金÷必要証拠金 でロスカット、つまり
有効証拠金=必要証拠金になったらロスカットなんです
さん
有効証拠金=預託証拠金-含み損 だったよね
トラリピ口座に預けているお金=必要証拠金+含み損になったらロスカットです。
FX&トラリピ初心者にここだけは伝えたい
例えば私かしわおもちが
トラリピのEUR/GBPの設定を公開するよ
- 売りレンジ0.825~0.925
- トラップ本数21本
- 1000通貨
- 35万円で運用できるよ
- ロスカットラインは0.925より上だから安心して運用できるよ
こんな感じで2023年7月に運用をすすめる記事を書いたとしましょう
この時はGBP/JPYが180円なので問題なく運用できると思います。
しかしその記事を現在(2024年7月)見た人はGBP/JPYが204円なので
レンジの範囲内にロスカットレートが食い込む形になります。
もちろん、全てのポジションを持って一直線にロスカットレートまで動くことは稀ですし、GBP/JPYも円高方向に進む事があるでしょう。
初めてのトラリピ運用を誰かの設定の真似でも問題ないですが、「その設定とその資金で本当に大丈夫か?」
必ずご自身で確認してください。
この時に役に立つのが「トラリピ運用試算表」です
トラリピ以外のリピート売買のかたでも使いやすいトラリピ運用試算表ですが、口座を開設しログインしないと利用できない様になっています。
円安が止まらない状況となっています。
リピート売買を運用されているかたは対円通かのレートを時々チェックするようにしましょう。
以上 トラリピ】円安の影響は無視できない
でした