FXを始めたばかりの方は聖杯(必ず勝てる手法)を探しがちです。
トラリピでも”最強設定”と言うワードで検索している方が多いのではないのでしょうか?
一概に最強設定と言ってもそれぞれ運用できる資金、運用期間、許容できる損失が違ってくるので、
あなたに合ったトラリピ設定を考える事が最強設定に繋がると考えています。
この記事があなたに合う設定を作り出すヒントになればと思います。
トラリピの最強設定を作るために
トラリピの最強設定は運用する人によって違います、
ここで作り方を一緒に考えていきましょう。
- 運用資金について
- 通貨ペアを選ぶ
- レンジの部分を探す
- トラップ本数(トラップ幅)から損失を確認
- 利益幅を考える
以上の5項目をしっかり考える事によって、あなたに合ったトラリピの設定を作ることが出来ると思います。
ひとつづつ考えていきましょう。
運用資金について考える
トラリピを運用するにはどのくらい資金が必要なのかを調べてみると、だいたい20~30万円からと言う意見が多いです。
私も1セット20万円を目安に運用をしていますが、「この金額で運用しましょう」というものはありません。
トラリピというのは
- 小さな利益を長期間積み重ねていく
- 資金が大きく減る可能性がある
という特徴があるので、余剰資金で運用する事を心掛けましょう。
もし用意した資金が余剰資金ではない場合、トラリピ資金の1/10で運用できるマネーパートナーズの連続予約注文や
更に少ない資金で取引できる松井証券FXの自動売買を検討するのも良いと思います。
通貨ペアを選ぶ
次に通貨ペアについて考えていきましょう。
通貨ペアとはUSD/JPY(ドル円)やEUR/USD(ユーロドル)といった2国の異なる通貨の組み合わせです。
トラリピ向けの通貨ペア
ここではトラリピ向けの通貨ペアを選ぶポイントを紹介します。
- レンジ(一定の範囲で動いている)相場を形成している
- レンジ幅が広すぎない
- 証拠金が安い
- 値動きが大きい
結論から言うと
現在最もトラリピに適している通貨ペアはAUD/NZD(豪ドルNZドル、オージーキウイ)です。
なぜならAUD/NZDは
- 10年以上続くレンジ相場
- 1.000~1.150(1500pips)という狭いレンジ
- 1000通貨あたり3940円という安い証拠金(この記事を執筆時2024年2月21日現在)
- 上下にしっかり動いてきた過去の値動き
と言ったように、先ほど挙げたトラリピ向けの通貨ペアの条件を満たしています。
また唯一、ハーフ&ハーフの手法が使える通貨ペアだと思っています。
ハーフ&ハーフについては以下の記事をご覧ください。
EUR/GBP(ユーロポンド)やUSD/CAD(ドルカナダ)もトラリピ向けと言えますが、まずはAUD/NZDを選択するのが良いと思います。
トラリピに不向きな通貨ペア
現在トラリピに不向きな通貨ペアはクロス円(〇〇〇/JPYとつく通貨ペア)です。
ここではUSD/JPY(ドル円)のチャートを元に説明します。
直近のレンジだと1ドル125円~150円(2500pips)コロナ前も合わせると100円~150円(5000pips)とレンジ幅が広いため、買いトラップは仕掛けにくいです。
売りトラップを仕掛けようにもマイナススワップが大きく、円安がどこまで続くか判断しにくいのでクロス円は現在トラリピに不向きだと言えます。
レンジの部分を探す
運用資金と通貨ペアが決まりました。
次にレンジの部分を探しましょう、ポイントは以下の2つ
- 過去10年位の高値、安値を見て線を引いてみる
- その高値、安値付近に何回か到達していればOK
私が設定しているAUD/NZDのレンジです。
EUR/GBPは1番上と真ん中の黒線の間がレンジとして機能しそうです。
USD/CADは2本の黒線が良いと思います。
オススメしませんがUSD/JPYのレンジならこのような感じでしょうか?
レンジ探しはざっくりでも大丈夫です、大切なのは
トラリピはレンジ内の往復で利益を出すと言う前提の元で取引しているということ。
その上で
相場がレンジから外れたらどうするのか?
損失額はいくらになるのか?
この2つをあなた自身が意識し、考えると言うことです。
私の場合は
レンジから外れたら自分のレンジ戦略が破綻したので損切り撤退する、という考えで運用しています。
下の記事でレンジ抜けのリスクと対策を書いています、ご覧になって下さい。
レンジ抜けの対策に正解はありませんが、あなた自身で対策は考えておきましょう。
損失額については次の項目で考えていきます。
トラップ本数(トラップ幅)から損失を確認
通貨ペアを決め、レンジも見つかりました。
トラップ本数を決めて以下の2つを確認しましょう。
- ロスカットレートがレンジの外にあるか
- レンジを外れたときの損失額が許容できるか
具体例を挙げていきます、私が運用しているAUD/NZDのハーフ&ハーフ買いトラリピです。
- 資金:20万円
- 通貨ペア:AUD/NZD
- レンジ幅:1.000~1.076の買い
トラップ本数20本
チャートの赤い範囲がレンジです、その中に1000通貨のトラップを20本仕掛けました。
トラリピのリスクを試算をクリックし
運用予定額に200000を入力、試算するをクリック。
ここで見るべきところは、赤い四角で囲った全てのポジションが成立した際の評価損と
緑の四角で囲ったロスカットレートです。
私は損失額-70,940円(レンジ抜けで約-73,000円)を許容し、ロスカットレートがレンジの外にあることを確認したためトラップ本数を20本に決定しました。
トラップ本数を色々試してみて、自分が納得いく本数を見つけましょう。
その際に、トラップ値幅がキリの良い数値になるように、レンジ幅をほんの少し調整するのはアリだと思います。
利益幅を考える
最後に利益幅を考えましょう。
今まではリスク面を考えながら設定してきましたが、リスクを知ったうえで初めて利益を追求していきます。
とは言え、現在進行形の相場でどんな利益幅にすれば良いのか分からないと思うので、バックテストを用いて利益幅を導き出していきましょう。
下の記事でトライオートFXのビルダー機能を利用して、過去3年分のAUD/NZDのバックテストを行っています。
その結果AUD/NZDの最適な利益幅は250pipsになりました。
しかし、最近の穏やかな相場では250pipsという利益幅では殆ど決済されません。
決済がないトラリピは面白味に欠けるので、もう少し利益幅を狭めても良いと思います。
理想は50~100pipsでしょうか、色々なブログを見てもこの範囲で設定されている方が多いです。
1度設定したトラリピでも利益幅はいつでもノーペナルティーで変更できるので、色々試してみると良いかと思います。
まとめ
この記事で
- 運用資金は余剰資金で
- 通貨ペアはAUD/NZD、EUR/GBP、USD/CADの運用をまず考える
- レンジの部分を探し、レンジ抜けのリスクや損失が発生する可能性を意識する
- トラップ本数を調整して、具体的な損失額や許容できる額かどうかを確認する
- リスクを知ったうえで最後に利益を追求していく
5つのポイントが分かったと思います。
初めてトラリピをする方は、有名なインフルエンサーやブロガー達の設定を真似すると良いでしょう。
ですが、人それぞれ運用資金や許容できる損失額、リスクの対応等が違ってきます。
投資は長期で生き残ってなんぼです、
利益ばかりに目を奪われず、自分の負うリスクを必ず確認してトラリピを運用しましょう。
そして、あなたに合った設定こそが最強設定なのだと私は思います。
以上、トラリピの最強設定とは?自分にあった設定を考える
でした。