トラリピを運用して利益が積み重なってくると、その利益を複利運用して更に大きな利益にしていきたいと誰もが思うはずです。
その際の選択肢として以下の3つが挙げられます。
- 新たな通貨ペアでトラップを仕掛ける
- トラップ本数を増やす
- トラップ本数はそのままで注文金額を増やす
複利運用において一番有効なのは、Aの新たな通貨ペアでトラップを仕掛けることです。
通貨ペアの分散はリスクの軽減にもなりますし、利益の安定化に繋がります。
今回は一通り分散が終わった後にBまたはCのどちらが有効なのか検証していきましょう。
今回の検証もトライオートFXのビルダー機能を使用してバックテストを行っています。
トラリピ複利運用のモデル
今回の検証のモデルはコチラ
- 通貨ペア AUD/NZD
- 買いレンジ1.000~1.075 売りレンジ1.075~1.150のハーフ&ハーフ
- トラップ本数合計 10本
- 利益幅 0.01(100pips)
- 注文金額 0.1万通貨(1000通貨)
証拠金が4万円あれば運用できる設定です。
ここから毎月の積み立てや決済益が重なって4万円が貯まった想定で、トラップ本数を増やすのと注文金額を増やす
どちらが利益が出るかを比較します。
トラップ本数を増やす
注文金額を増やす
バックテストの結果
それぞれトラップ本数と注文金額を増やした場合の比較の結果がコチラ
トラップ本数を増やした場合
注文金額 × 本数 | 運用期間 1年(円) | 運用期間 2年(円) | 運用期間 3年(円) |
0.1×20本 | 22,746 | 46,671 | 58,856 |
0.1×30本 | 32,518 | 74,247 | 90,701 |
0.1×100本 | 99,087 | 224,452 | 278,282 |
注文金額を増やした場合
注文金額 × 本数 | 運用期間 1年(円) | 運用期間 2年(円) | 運用期間 3年(円) |
0.2×10本 | 25,912 | 53,131 | 64,367 |
0.3×10本 | 38,868 | 79,706 | 96,544 |
1.0×10本 | 129,521 | 265,631 | 321,748 |
私自身、検証の設定を間違えたのかと思い何度も検証しなおしましたが
意外なことに注文金額を増やした方が利益が出る事がわかりました。
ちなみに通貨ペアや利益幅など色々変更して検証しなおしましたが、全ての結果において注文金額を増やしたほうが利益が出るという結果になりました。
トラリピにおける注文金額を増やす場合のデメリット
注文金額を増やす場合、トラップ本数を増やすより利益になるというメリットがあることが分かりました。
考えられるデメリットはあるでしょうか?
あくまでトラリピでの運用を想定しています
他の証券会社で運用した場合のデメリットとは異なる場合があります
- 注文金額の設定を変更する場合、現在の注文を取り消して再設定する必要がある、
すでにポジションが発生している場合は決済をしないといけない - 運用額を減らしたい時にトラップ本数を増やした場合は赤線のトラップを減らせばよいが、
注文金額を増やした場合はやはり再設定をする必要がある
トラップ本数を増やす
注文金額を増やす
つまり注文金額を増やす場合は取り回しが悪いんですね。
解決策として
解決策はひとつ
注文金額を0.1万通貨⇒0.2万通貨と増やすのではなく、0.1万通貨で全く同じトラップをもうひとつ追加する
こちらもバックテストの結果、注文金額を増やす場合と同様の効果が得られました。
実際に運用して調べてみる
これらの検証はあくまでもバックテストの結果です。
実際に運用して結果を調べてみます、とはいえ膨大な資金が必要で私にそこまでの運用資金がないので
松井証券FXの自動売買で検証いたします。
比較検証結果
実際に7ヶ月ですが松井証券FXの自動売買で検証しました。
- 検証期間2024年4月~10月末まで
- 通貨ペアはEUR/GBP、AUD/NZD
- EUR/GBPは2パターンの比較、AUD/NZDは3パターン
1000通貨単位だとお金が全く足りないので、10通貨単位での運用で検証します。
モデルイメージ
パターンA:注文金額を増やす
パターンB:トラップ本数を増やす
EUR/GBPはパターンABの比較、AUD/NZDは更にトラップを増やしたパターンCを追加し、3パターンで比較していきます。
EUR/GBP
パターンA | パターンB | |
注文レンジ | 0.92000~0.81900 売りトラップ | 0.92000~0.81900 売りトラップ |
トラップ本数 | 33本 | 99本 |
購入通貨 | 30通貨 | 10通貨 |
利益幅 | 30pips | 30pips |
簡潔に結果のみをお知らせします。
パターンA
- 確定損益:+628.602円 ←62万8千円ではなく、628円です。
- 現時点での評価損益:-64.216円
- 合計スワップ:+12.006円
- 累計損益:+576.392円
パターンB
- 確定損益:+721.488円
- 現時点での評価損益:-81.291円
- 合計スワップ:+9.034円
- 累計損益:+649.231円
AUD/NZD
パターンA | パターンB | パターンC | |
注文レンジ | 1.00000 ~ 1.14700 ハーフ & ハーフ | 1.00000 ~ 1.14700 ハーフ & ハーフ | 1.00000 ~ 1.14700 ハーフ & ハーフ |
トラップ本数 | 38本 | 76本 | 152本 |
購入通貨 | 40通貨 | 20通貨 | 10通貨 |
利益幅 | 50pips | 50pips | 50pips |
パターンA
- 確定損益:+540.693円
- 現時点での評価損益:-355.4664円
- 合計スワップ:+32.216円
- 累計損益:+237.445円
パターンB
- 確定損益:+579.498円
- 現時点での評価損益:-309.918円
- 合計スワップ:+28.518円
- 累計損益:+298.098円
パターンC
- 確定損益:+570.026円
- 現時点での評価損益:-297.113円
- 合計スワップ:+28.052円
- 累計損益:+300.965円
まとめ
EUR/GBP、AUD/NZD共にトラップ本数を増やした方が利益を出すことができました。
バックテストではトラップ本数を増やすより注文金額を増やした方が利益が出たのですが、全く真逆の結果となり驚いております。
たまたまなのかバックテストのやり方が間違っていたのか、その時の相場によって異なるのかは正直分かりません。
ただ、トラップ本数を増やした方が約定の通知がたくさん来たため、運用していて楽しかったのは事実です。
10pips間隔でトラップを設定するとかなり楽しいです、トラリピで運用する場合は数百万必用で私にはまだまだ先の話ですが(笑)
皆さん参考にしていただけたら幸いです。
以上、【トラリピ複利運用】トラップ本数を増やす?注文金額を増やす?【検証】でした。