初心者にとって理解しやすく、かつトレードにおいて有益な指標の一つが「ATR(Average True Range)」です。
この記事では、ATRの基本から実践的な活用法までを解説します。
ATRとは?
ATRは市場のボラティリティを示す指標で、価格変動の平均を算出し現在の市場の不安定さを示します。
トレンドの強さを計ったり逆張りのタイミングを見極めたりと、トレードする際に有益な情報源です。
ATRの基本概要
ATRは「Average True Range」の略で、真のレンジ(True Range)のn期間の平均を表します。
True Rangeの計算方法は
- 当日高値-当日安値
- 当日高値-前日終値
- 前日終値-当日安値
1~3の内で最も幅が広いものを指し、上の画像では「1.当日高値-当日安値」がTrue Rangeとなります。
これにより単純な価格変動だけでなく、ギャップなども考慮したボラティリティを測る指標となります。
ATRの数値はそのままpips数に換算できます。
- クロス円:1.00で100pips
- それ以外:0.01で100pips
上記のチャートの右端を見ると0.00492となっているので、現在のATRは49.2pipsです。
ATRの期間設定
ATRの期間設定ですが、一般的に期間は14を設定することが多く、ATRを搭載しているチャートもデフォルトで14になっていることが殆どです。
過去の14本のローソク足から割り出した数値がATRの値になります。
次にATRの使い方についてもっと掘り下げていきます。
ATRの使い方
ATRの具体的な使い方に焦点を当て、トレードでどのように役立つかを詳しく見ていきましょう。
トレンドの強弱の判断
ATRは市場のボラティリティを示すため、トレンドの強さを測るのに役立ちます。
- ATRが高い場合、市場は荒れており強いトレンドが形成されている可能性
- ATRが低い場合、市場は穏やかで弱いトレンドや横ばいの相場が続いている可能性
ATRでトレンドの勢いはわかりますが、トレンドの方向はわからないので注意しましょう
これを踏まえて、トレンドに応じたトレードを展開できます。
損切りや利確の目安
ATRを損切りや利確の目安にするトレーダーは多いです。
ATRの2倍の値を損切り位置に設定するなど相場のボラティリティに合わせた適切な損切り位置を設定できます。
ボラティリティが高い場合はストップロスを広く、低い場合は狭くすることで、トレードの安全性を向上させることが可能です。
リスクリワードの決定に役立つ
ATRはリスクリワードの決定に役立ちます。
例えば、損切り位置をATRの2倍、利益確定の位置をATRの3倍に設定する事で、簡単にリスクリワード比を1:1.5に設定できます。
- ATRを利用して損切り、利確の目安を設定できる
- リスクリワードの決定に役立つ
次に、ATRを活用した実践テクニックについて詳しく見ていきましょう。
ATRを活用した実践テクニック
ATRは単なる数値だけでなく、市場の状態を理解しトレードの戦略を調整する手助けとなります。
ここでは具体的な実践テクニックに焦点を当て、ATRを活かしたトレードについて解説します
他のテクニカル指標との組み合わせ
ATRは単体で使うより、他のテクニカルと組み合わせることで、より正確なトレードに繋がります。
- 移動平均線やMACDでトレンドの方向性とボラティリティを取り入れる
- ボリンジャーバンドでレンジの逆張りを狙う
他のテクニカルを組み合わせることにより、より効果的にATRを活用できます。
ATRまとめ
ATRはトレードにおいて、市場のボラティリティを理解しトレードを洗練させるための貴重なツールです。
本記事では、ATRの基本を解説しました。
ATRは市場の動きを理解しリスク管理を強化することで、トレードにおいて頼れる味方となります。
ATRをマスターし、トレードスキルを向上させましょう。