FXをやった事がある方なら一度は考えたことがあるかも知れません。
「同じ通貨ペアで売りと買いのポジションを両方持って、利益が出た方だけ決済すれば勝てるのでは?」
いわゆる両建てというやつです。
私もFXで両建てを実践したことはありますが、両建てを駆使して勝ち続けるのは難しいと考えていますし、
結論から言うとトラリピで両建てはおすすめできません。
理由として2つあげています。
- レンジの上下に損失リスク
- 常に含み損
- 含み損が固定されてしまう
どういうことなのか詳しく見ていきましょう。
トラリピの両建てはレンジの上下に損失リスク
トラリピの両建てと言うのはハーフ&ハーフの売りと買いのレンジを重ねるイメージで、相場がどちらに動いても利益を出す手法です。
ハーフ&ハーフのメリットデメリットの記事でも書いているのですが、レンジの上下ともに損失リスクが存在するのはデメリットです。
常に含み損
相場が上昇している時は売りポジションが含み損。
逆に下降すれば買いポジションが含み損。
相場が大きく動いたとき含み損も大きくなり、以降相場がどう動いても含み損がほとんど減らなくなります。
含み損が固定されてしまう
そもそもFXにおいて両建ては含み損を固定させるための手段だと考えています。
- 赤矢印の場所(137.287)で1万通貨の売り
- 相場が上昇したので緑矢印の場所(142.246)で1万通貨の買い(含み損約5万円)
- 以降、相場がどう動いても含み損5万円は固定される
この時の買いポジションを決済するタイミングは、相場が再び142.246の建値に戻った時です。
それ以外の決済で利益を出せる方は裁量トレードで十分稼げます。
トラリピではレンジ抜けの時に両建をして含み損を固定する方法もありますが、両建ての解除が難しい最終手段なので、極力やらないようにしましょう。
そして両建てにおける含み損の固定は通常の取引きでも起こります。
両建てのバックテスト
今回もトライオートFXのビルダー機能を利用しています。
バックテストにあたりレンジ幅と利益幅は統一し、トラップ幅と本数は少しだけ変えています。
上の画像の設定は
- 通貨ペアAUD/NZD
- レンジ1.000~1.150(レンジ幅1500pips)両建て
- トラップ本数各40本、利益幅40pips
3年間のバックテストを行いましたが、途中から9万円前後の含み損をつねに抱えています。
この含み損の固定はトラリピを停止するまでずっと続きます。
なので「短期では稼ぎづらい・トラリピの止め時(出口)が分からない」と言ったデメリットに繋がります。
ハーフ&ハーフのバックテスト
ハーフ&ハーフの条件は
- 通貨ペアAUD/NZD
- レンジ1.000~1.150(レンジ幅1500pips)のハーフ&ハーフ
- トラップ本数各20本(合計40本)、利益幅40pips
実現損益(決済益)は両建てより劣ります、ですが含み損の少なさから利益はハーフ&ハーフの方が多いです。
そしてハーフ&ハーフには明確な止め時があります、それはレンジの中央付近です。
レンジの中央付近は含み損が最小になるので利益を最大化しやすいですね。
両建てを有効に使えないか?
ハーフ&ハーフではレンジの中央付近は含み損が最小になる、ということは中央付近だけ両建てにしてみたら効率よく利益が出せるのではないか?
と言うことで、バックテストを行いました。
コアレンジ戦略のバックテスト
コアレンジの条件は
- 通貨ペアAUD/NZD
- レンジ幅1.000~1.150のハーフ&ハーフ
- トラップ本数各25本、利益幅40pips
- レンジ中央より上下250pips(合わせて500pips)が両建て
同じく過去3年間のバックテストを行ったところ
- 実現損益(決済益):両建て > コアレンジ > ハーフ&ハーフ
- 必要証拠金の多さ :両建て > コアレンジ > ハーフ&ハーフ
- 利益 :コアレンジ > ハーフ&ハーフ > 両建て
このような結果となりました。
ちなみにレンジ幅、利益幅、必要証拠金を同じにした場合の利益は
ハーフ&ハーフ > コアレンジ > 両建てとなります。
ハーフ&ハーフの方がが一番たくさんトラップを仕掛ける事ができますし、含み損も少なかったからですね。
まとめ
今回は両建てについて検証しました。
基本的にトラリピの両建ては推奨しませんが、どうしてもという方は
- 通貨ペアはAUD/NZDに絞る
- ハーフ&ハーフの中央付近のみ両建て(コアレンジ戦略)
- レンジ抜けの両建ては極力しない、本当に最終手段です
以上の事を念頭に置いて取引きをしましょう。
以上、トラリピの両建てはオススメの手法なのか?
でした。